(11)南北問題
- SantilloFrancesco
- 2020年4月12日
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イタリアは、南北に長い。
フランコさんの故郷スカレアからトリノまで1000km以上、
日本でたとえれば、東京から下関。
残念ながらイタリアには、南北で大きな経済格差がある。
北は、工業が盛んだけれど、南は、農業が中心。
失業率も南は北の4倍とも言われる。
北が支払う税金で、南は賄われている。
当初フランコさんは、カラブリア州の方言しか話せなかった。
トリノではピエモンテ州の方言で話す。
「イタリア語が話せないのか?」
南出身者に対して「テローネ」という侮蔑用語で呼ぶことがある。
カルチョでも、時々聞かれる言葉だ。
フランコさんは、北で暮らして初めて、南北の置かれた違いを肌で感じた。
同級生の殆どは、親元からか通う人たちだ。
学校が終わると、パーティーだ、コンパだとみんなが教室を後にしても、フランコさんは、彼らと一緒に行動することはなかった。
ただひたすら、花屋のバイトと絵を描く2年間を過ごした。
もちろん、彼女なし。
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