「ただ証明したかったんだ。夢ではなく、目標なんだ」と。
しかし、実際合格してみると、学校に行きたい気持ちが膨らんだ。
でも、諦めるしかない。入学金や学費、生活費が、パパの年収を
超える高額。卒業しても、確実に仕事に就けるか不透明。
3人の弟。許されるはずはなかった。
「合格通知が届きましたが、息子は御校へ入学できません。」
パパが学校へそう電話している傍らで、フランコさんは
窓から外を眺めていた。パパが受話器を置いた。
「今からトリノのおじさんのところへ電話する。フランコ、
2年間おじさんの家にお世話になれ。」
耳を疑った。目が熱くなった。
学校はこう言ったそうだ。
「学費はすぐでなくていいですから、フランコを我が校に
預けてください。」好きだった仕事を辞めて、家族を養ってきた
パパの決断。フランコさんは、1987年無事学校へ入学を
果たす。ちょうどそのころテレビが壊れた。
2年間、スカレアの家にはテレビはなかった。
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