仕事はとにかく忙しかった。カメラや電車、クルマのリアなど。
あるときフランコさんは、テレビのニューススタジオをデザインした。
何パターンかのアイデアを提案したところ、その1案がGGの目に留まったのだ。
フランコさんの目標は、カーデザイナー。
GGの元でカーデザインの仕事をすること。
それまでにも、自身の作品をたくさん描いてGGの元へ持ち込んでいた。
同僚たちもみな同じだ。
GGから直接、「私の元へいらっしゃい。イタルデザインへ。」と言われたときは、震えが止まらなかったそうだ。
フランコさんが、念願のカーデザイナーとなった瞬間だった。
パパは、そんなフランコさんを誇りに思ったに違いない。
やる、と言ったらやる子だ、と。
イタルデザイン入社のきっかけとなったスタジオセットは、日本の仕事だった。
まさか、めぐり巡ってその後、自分自身が日本で働くことになるとは、さすがのフランコさんも想像できなかったようだけれど。
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